学校の取り組み
愛知県刈谷市立小垣江小学校

小垣江小学校は愛知県刈谷市の南部にあり、学区に自然が多く残っている学校だ。低学年は草花や野菜作り、4年生はホタルの飼育活動、5年生は米作りに取り組んでいるよ。どの学年も地域の人たちの力を借りながら、この活動を進めているんだ。ここでは4年生と5年生の取り組みを紹介しよう!
【4年生】よみがえれ!小垣江ヘイケボタル
「小垣江にもう一度ホタルを飛ばせたい」と考えてる「小垣江地区緑と水を守る会」(以下、緑水会と略)の方と協力しあいながら、校区を流れる折戸川にホタルが住めるようになるためのさまざまな活動に取り組んでいるよ。校区にあるホタル池やホタル小屋の管理、ホタルの幼虫放流式、ホタルPR作戦、ホタル鑑賞会、ホタルの飼育、川の調査や環境保護活動などを行っているんだ。

折戸川の水質調査をした後、ザリガニなどの外敵を捕まえる「ホタル守り隊」や、川を清掃する「かがやく水守り隊」など自分たちの考えたチームに分かれて、活動を行うんだ。

ホタルの幼虫を小垣江公園のホタル小屋や、折戸川、湧水地、学校内のホタル小屋やホタル池などに放流しているんだ。

春にホタル小屋やホタル池の清掃を行っているよ。

お年寄りにもホタルを楽しんでホタルについて知ってもらうために全校のみんなにPRしたり、小垣江公園のホタル祭りで地域の方々にもPRをしたりしてもらいたいと考えて、介護老人保健施設「かりや」に幼虫を贈呈しているんだ。

ホタルの幼虫を人工的に育てるために、産卵箱(干物用ネット)に入れて、卵を産んでくれるのを待つんだよ。夏の間は、孵化した幼虫を28℃に保てる部屋で飼育するんだって。

ホタルについて知ってもらうために全校のみんなにPRしたり、小垣江公園のホタル祭りで地域の方々にもPRをしたりしているよ。
【5年生】広げよう笑顔!米作りの活動を通して
緑水会の方に指導していただきながら、田植えや田の観察、あぜの草取り、稲を束ねるすがい作り、稲刈り、籾すりなどを体験しているんだ。
新宿区立東戸山小学校

東戸山小学校は、新宿区内で貴重な緑のオアシスとなっている都立戸山公園に隣接している学校だよ。校庭には、約20年前に植えられたウメ、アンズ、カキ、クワなどの実のなる木がたくさん育っているほか、「ヒガトープ」と名付けられたビオトープとその横に田んぼもあるんだ。自然豊かな校庭を戸山公園の一角と考え、各学年が自然環境を生かした授業を行っているんだよ。2012年度に実施した取り組みを紹介するね。
1~2年生
3年生


昔、地域にたくさん生息していたツマキチョウを復活させるプロジェクトに取り組んだよ。畑の一角にチョウの食草を植えて、チョウを観察したんだ。また、幼虫が隠れている落ち葉が清掃される前に、ゴマダラチョウの幼虫を救い出す救出作戦も行ったよ。
4年生


4年生はエネルギーについても学んだよ。発電エアロバイクを漕いで自分で発電してみたり、エネルギーを作るさまざまな企業やNPOの出前授業を受けたりしたんだ。学んだ後にエネルギーについて考える「エネルギー会議」を開催したよ。
愛知県春日井市立篠原小学校

篠原小学校は庄内川の支流、内津川に面した学校だ。その内津川を自然環境学習の場として活用しているのが、今年、「みどりの小道」環境日記に参加してくれた篠原小学校の6年生だよ。みんなの日記からは、内津川を中心に、たくさんの自然とふれあっていることが伝わってきたので、どんな学校か見たくなり、訪問してきたんだ。
内津川での清掃と自然観察
篠原小学校がある愛知県と言えば、2010年にCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)が開催された歴史に残る土地だ。篠原小学校では、COP10がきっかけとなって、当時の5年生が総合学習で自然環境を勉強することになったそうだよ。そのフィールドとして活用したのが、学校の目の前を流れる内津川だ。自然が残るように整備された川で、清掃や自然観察などを始めたんだ。また、もっといろいろなことを学ぼうと、バケツでのイネ栽培や、ネーチャーゲーム、緑のカーテン作りなどにも取り組んだんだよ。
内津川新聞


活動の成果をまとめた「内津川新聞」。こどもエコクラブの壁新聞コンテストに応募したんだ。
右の「いきものマップ」に使われている生き物のイラストは、みんなが描いたんだって!
篠原小学校6年生の活動
福島県南相馬市立八沢小学校

2011年3月11日に起きた東日本大震災で、大きな揺れに襲われたのが八沢小学校だ。校舎は無事だったため、震災後、しばらくの期間は被災した5つの小学校が合流し、一緒に勉強したんだよ。原発事故の影響もあり、なかなか集中して勉強できない環境にありながらも、多くの友だちが「みどりの小道」環境日記に参加してくれたんだ。また、地域の人たちと道路に面した花壇に花を植えたり、エコキャップを集めるなど、さまざまなエコ活動にも積極的に取り組んできたんだよ。

緑のカーテンづくり
2011年6月、グリーンクロスジャパンなどが協力する形で、ヘチマを植える「緑のカーテン」プロジェクトを行ったよ。伸びた植物の葉は、教室の窓を覆って日差しをさえぎり、教室の温度を下げてくれたんだ。冷房がなくても夏を乗り越えられる室温だったそうだよ。
集めたエコキャップ、なんと120キロ

八沢小学校では、エコキャップを集める活動も行っていたよ。いま、中学生になった先輩たちが始めた活動だけれど、一度は途絶えてしまったんだ。そのころから参加していた2人が、みんなに呼びかけた結果、再開したそうだよ。そして、ポリオワクチン1200人分に相当する120キログラムものエコキャップを集め、2012年1月、地元の新聞社を通じて「小さな親切運動」県本部に贈呈したんだ。エコキャップ洗いやシールはがしなど、苦労も多かったようだけれど、贈呈式ではみんなの顔が誇りに満ちていたよ。
国際交流授業(国際環境ビデオ会議)
2011年10月26日、八沢小学校と、オーストラリア・クイーンズランド州ブリスベン市のミルトン小学校、ニュージーランド・クライストチャーチ市カシミア小学校が、国際交流授業を行ったよ。インターネットを利用したビデオ会議システムで3カ国をつなぎ、各国会場のスクリーンに映し出されたお互いの映像を見ながら、意見交換などを行ったんだ。 これらの小学校は、「みどりの小道」環境日記に取り組んでいることや、最近、自然災害で被災したという共通点があるんだ。会議は挨拶の交換と、お互いの学校がある環境や、今年起きた災害の報告、地域の紹介から始まったよ。その後、オーストラリアでは有名なレンジャーのステーシーさんが、大洪水の際の動物たちの行動について話してくれたんだ。また、環境を良くしていくために行っていることも発表し合ったよ。さらに各国が順番に「きらきら星」を歌ったほか、文通し合うことを約束したんだ。
※ビデオ会議実施協力:ポリコムジャパン(株)