循環型社会 合い言葉はリデュース・リユース・リサイクル
スモーキーマウンテン
世界でもごみは大きな問題になっている。有名なのがフィリピンのマニラにあったスモーキーマウンテンだ。マニラ市内から集められたごみが山をつくっていて、その山が自然発火したり、メタンガスが燃えたりして、いつも煙が上がっていたから、煙の山、つまりスモーキーマウンテンと呼ばれるようになったんだ。
そこでは「スカベンジャー」と呼ばれる人たちがびんやプラスチックごみなど、お金に換えられる資源を拾い集めながら暮らしていた。キミたちと同じぐらいの子どもも、学校に行かずたくさん働いていたんだよ。でも、雨季にごみの山が崩れて、多くの死者が出たこともあって、フィリピン政府は1994年に閉鎖したんだ。そのときに住民には公共住宅が与えられたけれど、一部の住民は別のごみ処分場周辺に移り住み、今も同じような生活をしているんだって。このスモーキーマウンテンのような場所は、フィリピンだけではなく、発展途上国にまだたくさんあるんだ。
ごみ34分別。みんながごみ削減に取り組む、小さな町の挑戦
1:日比ヶ谷ごみステーションは、建物も送電線工事に使われていたものをリサイクル 2:たくさんのかごや箱が並んでいる 3:くるくる工房では、鯉のぼりも洋服や帽子、バッグに変身 4・5:くるくるショップ
四国にごみを34分別している町があると聞いて、取材してきたよ。徳島県の山間部にある上勝町だ。人口は約2,000人で、四国では一番小さな町だそうだよ。
上勝町の特徴は、ごみや資源の集積場が1カ所しかないこと。「日比ヶ谷ごみステーション」という集積場に、みんながそれぞれが持ち込むしくみなんだ。
昔はごみステーションのそばの土地にごみを持ち寄って燃やしていたから、持ち込むことは苦ではないそうだよ。自分でごみを持ち込めない人は、シルバー人材センターの人が有料で回収するほか、車を持っていないお年寄りなどの家には、2カ月に一度、集めに行くんだ。
でも、何で34にも分別できるんだろう。見学させてもらって納得。びんなら色別に分けているほか、廃食油や、バッテリー、タイヤなど、いろいろなごみを持ち込めるんだ。ちなみに生ごみは、町の補助金により各家庭に生ごみ処理機があるので、全部、家庭で処分できるんだって。日比ヶ谷ごみステーションには、まだ使える物を交換できるリユース推進拠点「くるくるショップ」もあったよ。また、近くには不要になった衣類や布類、綿類などから、おかあさんたちがユニークな商品を作って販売している「くるくる工房」もあったよ。
この上勝町の目標は、「ゼロ・ウェイスト」。これは3Rを進めたり、生産段階から処理に困らない製品を作り、燃やしたり埋め立て処理される有害なごみをなくしていこうという考え方なんだ。上勝町が国内では初めて、2020年を目標にした「ゼロ・ウェイスト」宣言を行ったそうだよ。小さな町から始まった取り組みが、これからどう進化していくのか、とても楽しみだね。
エコタウン事業
「ゼロエミッション」っていう言葉を知っているかな?
産業からはどうしても廃棄物が出てしまうけれど、リサイクルして新たな原料にしたり、熱エネルギーとして利用することなどによって、あらゆる廃棄物をゼロにすることなんだ。これからの時代、「ゼロエミッション」はとても大切なことと考えた経済産業省は、1997年度に「ゼロエミッション構想」を推進するため、環境省と連携して「エコタウン事業」を創設したんだよ。
具体的には、「ゼロエミッションに取り組んでみよう」と考えた地方自治体が作成したエコタウンプランについて、環境省と経済産業省が共同で認めることなんだ。認められた地方自治体で実施される事業は、さまざまな面から総合的に支援が受けられるんだよ。1997年に北九州市、川崎市が承認されて以降、これまでに全国で26地域が承認されているんだ。
じゃあ、エコタウンとして認められた地域では、どんなことがやられていると思う? 北九州市での事例を見てみよう。
都市鉱山を掘り起こす、北九州市×ソニーの試み
左:回収箱に入れるところ 中:回収品の山 右:分解して取り出した基盤
(写真提供:ソニー株式会社)
北九州市には、リユースやリサイクルに取り組む企業を集めたリサイクル団地があるほか、ごみを処理する技術や資源をリサイクルする技術、新エネルギーの技術などの研究に取り組む施設も集まっているんだ。市民の環境意識も高く、いろいろな取り組みがされているよ。
この北九州市で、いま、すばらしい実験が進んでいるんだ。それは都市鉱山を発掘すること。「都市鉱山」っていう言葉、みんなは知っている? 都市で大量に捨てられる家電製品の中には、貴金属などの有用な資源がたくさん含まれているんだ。これを“都市にある鉱山”と見立てているんだよ。この都市鉱山に着目してきたのがソニー株式会社だ。
ソニーではリサイクルしたものを使うことが大事と考え、家庭で不要になった小型電子機器を回収する実験と、集めたものから貴重な金属を再資源化する実験をしたいと考えていたんだ。何しろ電子機器には、貴重な金属(金、銀、銅、白金、パラジウムなど)がたくさん使われているからね。
この考えに賛同してくれたのが北九州市なんだ。エコタウンに認定されていて、人口が多く、市民の環境意識が高いから、実験にはぴったりの都市だったんだ。そして、2008年9月1日から実験が始まった。お店や学校など、64カ所に回収箱を置いて、片手で持てるぐらいの小型電子機器(デジカメや音楽プレーヤー、小型ゲーム機、電子手帳など)を回収しはじめたんだ。集まったものは、独自のリサイクルシステムによって貴重な金属を取り出す会社で再資源化しているんだよ。そしてソニーの製品に使用するしくみになっているんだ。
2009年2月13日の時点で1万個、1,600kgが集まったそうだよ。この取り組み、定着して日本中に広がるといいよね。
エコネコ スペシャル ウニャウニャ のほほんマンガ 2<循環型社会>
循環型社会 合い言葉はリデュース・リユース・リサイクル
循環型社会は、きっともうおなじみの言葉だよね。ごみを減らしたり、リユースやリサイクルを進めたりすることで、資源を最大限に再使用・再利用して、環境への影響を抑えた社会のことなんだ。一つの資源が、いろいろなところを巡り続けているイメージだね。この循環型社会のシステムづくりは、もう始まっているんだよ。
2000年5月には循環型社会形成推進基本法という法律ができて、容器包装リサイクル法や家電リサイクル法などが始まっているんだ。それではボクたちはどうすればいいと思う? それは「3R」を実践することなんだ。
3Rとは、Reduce(リデュース=ごみを出さないようにする)、Reuse(リユース=再使用する)、Recycle(リサイクル=再資源化する)のことを指すんだよ。一番大切なのがリデュースで、次がリユース、それからリサイクルの順だよ。
また、3RにRefuse(リフューズ=必要のないものを断る)と、Repair(リペア=修理して長く使い続ける)を加えた5Rが大切と考える人もいるんだ。それじゃあ循環型社会に向けて、いま、どんな問題が起きているのか、また、取り組みがされているのかを見てみよう。













