第8回 シンポジウムのようす

子どもたち自身が主体性を持って、自分たちの環境活動の課題や未来を語り合い、学び合う場として始まった「エコ・ニコサミット」。グリーンクロスジャパンの「みどりの小道」環境日記事業と、株式会社 西友の「エコ・ニコ学習会」のコラボレーションです。3回目を迎えた今回の「エコ・ニコサミット2006」は「みどりの小道」環境日記コンテスト表彰式に先立ち、同じ東京ビッグサイトの国際会議場で開かれました。
ステージ上のパネリストの皆さん、会場の子どもたちが自由に意見を交換し合い、環境カウンセラーの崎田裕子さんのアドバイスをいただきながら自分たちの力でサミットを運営しました。
崎田さんがご挨拶の中で、「みどりの小道」環境日記のシステムや西友エコ・ニコ学習会の内容について紹介。そしてこれから始まる「こども環境アジア会議」の趣旨を説明しました。
「先ほど環境省の尾崎さんのお話の中にあったことが、実は今日のテーマなんですね。環境について考えてくれている皆さんの思いを、“どうやって広げていくか"ということについて考えたいと思います。環境活動の仲間づくりを広げよう、そしてアジアに広げようということですね。会場の皆さんにも発言をしてもらうコーナーもありますから、お友だちの意見にしっかり耳を傾けて、智恵を交流してください」
| 左から/堀 亮介くん(西友エコ・ニコ学習会OB)慶應義塾中等部2年/中尾摩理さん(「みどりの小道」OB)オーストラリア留学中・中学2年/川越愛夏さん(新宿版「みどりの小道」受賞者)新宿区立市谷小学校6年/北岡 翼くん(「みどりの小道」受賞者)福岡海星女子学院附属小学校6年/崎津舞香さん(「みどりの小道」/西友エコ・ニコ学習会OB)大阪女学院中学校1年 |

| 左から/片山絵里さん(西友エコ・ニコ学習会)大田区立久原小学校5年/高橋幸大くん(西友エコ・ニコ学習会)大田区立久原小学校5年/正木良典くん(「みどりの小道」受賞者)姫路市立青山小学校6年/浜崎日香理さん(「みどりの小道」受賞者)北九州市立大里東小学校6年/コーディネーター:崎田裕子さん(環境カウンセラー/環境ジャーナリスト。NPO法人「持続可能な社会をつくる元気ネット」理事長・NPO法人「新宿環境活動ネット」代表理事) |
みんな環境に対する思いを語りたい
パネリストの皆さんが、順番に自己紹介し終わったところで、崎田さんから議長の堀 亮介くんにバトンタッチ。後は子どもたち同士で運営します。
まず、自分たちが実践している環境活動について話してもらいました。
- 「CO2削減のため、学校で木を育てている。主に家電製品からCO2がでているが、電気を使わない生活は無理なので、木に代わりをしてもらう」
- 「オーストラリアは旱魃が続いて水不足なので、日本では捨てるような残り水も有効利用している」
- 「4年生の時から家のゴミを調べ、統計を取っている。野口 健さんを真似て清掃登山に参加した」
- 「“ペットボトルキャップ2000個=ワクチン1人分"を知り、家族やエコクラブで集めている」
自分たちの環境活動を周囲の人たちに広げるために、どのようなことをしているのでしょう。

- 「環境に関する記事を切り抜いて、家族と話し合ったりしている。はじめは関心のなかった家族が次第に理解してくれるようになったのがうれしい」
- 「自分たちのやっていることを地域の人や他の学年の人に伝えるために、学習発表会を行っている。合成洗剤を使うのをやめようと伝えたり、ドングリを植えたポットを配ろうと思っている」
- 「“もったいないプロジェクト"を広げるために、展示会やバザーを開いている。手紙を書いて伝えている」
- 「エコかるたを作り、かるた会をした。手づくりの新聞や百項目のエコチェックを作った。ただ、1人が百項目のエコアクションをするより、百人が1つずつでもアクションをするほうが大切だと気がついた」
- 「弁論大会で、水の問題をテーマにして発表した」
会場の皆さんにも意見を聞きました。
- 「池の中や高速道路など、拾いにくい場所に捨てられたゴミを見ると悲しい。皆に伝えていきたい」
- 「集めたゴミを調べて、その値段を統計グラフにして皆に発表した」
- 「みどりの小道で知り合った友だちと手作り新聞を交換し合っている」
このほかにも、会場の皆さんがたくさん発言してくれました。そしてまだまだたくさんの手が挙がっているのにも関わらず、指しきれないまま、時間の関係で会議を進行しなければなりませんでした。発言してくれた言葉は、自分への約束になりますから、ずっと忘れずに、思いを持ち続けてくれることでしょう。挙手した人すべての発言を聞きたいところです。次回への課題を残したようです。
9人のパネリストの皆さんは、朝早くから集合して、崎田裕子さんを中心にワークショップを行いました。「子ども環境アジア会議」のテーマや、宣言文の素案を考えるためです。皆でアイディアを出し合って、足したり削ったりしながら「自然に感謝して エコの気持ちをふくらませよう私の小さな一歩から広げよう アジアから世界へ仲間づくりの輪」という基本となる文を作りました。「自然に感謝して」の部分は、ワークショップに途中から参加した、スリランカのアンジャリーさんの提案です。
大きなスクリーンに宣言文の素案が映し出されました。折角、今日という日に皆と出 会ったこと、そして皆で長い時間話し合ったことを、大切に憶えていくための宣言文です。
「“自然"を“地球"に替えた方がよい」「仲間づくりの輪“をつなげよう"としたほうがよい」「私“とあなた"の小さな一歩からがよい」など、会場の意見がありました。拍手による賛同があったので、すべて採用することになり、少し長くなりました。
パネリストの皆さんが、決定した宣言文を大きな紙に書き出している間に、客席では用意されたメッセージリーフにメッセージを書き、出来た人からステージ上の地球儀や世界地図に貼りました。 全員がステージに上がり、宣言文を書き終えた後、皆で“スマイル"の歌を合唱して、「エコ・ニコサミット2006」はフィナーレを迎えました。「広げよう」「つなげよう」という言葉が印象に残った会議でした。第9回「みどりの小道」環境日記シンポジウムに向けて、ますます「広げ」て、ずっと「つなげ」て行かなければなりません。
アジアの国からのお友だち
会議の中盤で、スリランカからやってきた5年生のおふたりがステージに登場。手に持っているのは廃材を利用して作ったアートです。
スリランカも開発が進んできて、森林も少なくなってきたこと、津波の被害も、守ってくれる木の力が弱くなったため、被害が大きくなってしまったことなどを話してくれました。
また、会場からは中国から来て港区立本村小学校に通っている3年生の王智航くんがステージに上がり、北京オリンピックを控えた中国の環境問題について調べていること、空き缶拾いなどしてリサイクル活動をしていることを話してくれました。
会議が終盤に差しかかるころ、サプライズなプレゼントがありました。野口 健さんが会場に駆けつけてくれたのです。場内は大喜び。たまたま、近くで他のお仕事していたそうで、20分だけ、ということで抜け出し、子どもたちに応援メッセージをくださることになりました。
環境問題は、ひとりじゃ解決できない
野口 健さんからの応援メッセージ
ここ数年、環境日記の審査委員をやってますが、全国から送られてくる日記は、ものすごいボリュームのあるものばかりで、びっくりします。小学生の日記だから、もう少し可愛らしいものかと思っていたんですが、なかなか専門的で、実験の写真なんかがビッシリ添えられてすごいんです。審査する方もクタクタになっちゃう。でも嬉しいですね、こんなに頑張ってくれている。
環境学校で小笠原に行った時、このきれいな砂は何年かすると汚れてしまう、このきれいな砂を守るのはお前たちなんだぞ、と島の子どもたちを脅したんです。脅すの好きなもんで(笑)。脅しが効いたせいか、2カ月の間に島中をちゃんと調べたそうで、島には50台のクルマが捨てられていたんです。
で、元の持ち主の分かるものは、子どもたちが家まで訪ねて、ちゃんと始末するように談判すると、すぐ謝ってくれる人もいるし、逆ギレしちゃう人もいる。ほとんどが犯人の分からないクルマで、東京都や林野庁の事務所に掛け合って、どうにかしてくれと頼んでもラチがあかない。撤去にもお金がかかるしね。で、ついには村長のところに押しかけた。村長も最初はびっくりして、自分が村長になる前から捨てられてたクルマだから責任はない(笑)、なんて言ってたんですが、子どもたちが率先してポスターを貼ったり運動を始めちゃった。村長もやっとこさ一緒にやってくれることになったら、島の大人たちも動いたんですねえ。
石原都知事が言っても動かなかった人たちが子どもたちに動かされちゃった。すごいなーと思いましたね。 ボクは今、富士山の清掃とかやってますが、8年前は清掃登山に100人も集まらなかった。でも、去年は2800人、今年は4800人も参加してくれました。回収したゴミも80トン超えたんですよ。ですから、ひとりじゃ出来ないんですよね、環境問題は。もう、富士山の五合目から上はほとんどゴミがないです。世界遺産も夢じゃなくなってきた。この間、山梨と静岡の知事が握手して、世界遺産登録目指してガンバローだって。
もっと早く言ってほしいよね(笑)。
ここに集まっているみんなは、高いハードルを越えてきているから大丈夫だと思いますが、大事なのは、環境活動というのは、自分ひとりだけでは出来ないのだということ。少しの仲間たちだけで満足しないこと。自分ひとりだけで頑張りすぎないこと。要は、環境に全く関心のない子どもたちを如何に巻き込むか、ですよね。







